耐震性って一体何を保証するのか その4 結局運次第?共振について考える
こんばんはー。
シンシーです。
地震って本当に怖いと思っていろいろ調べていくうちに興味深いことがぞくぞく出てきて、本当に自然って難しいなとうならされます。
そして絶望に近づいていくと・・・(´;ω;`)
ここで以下の文章を考えます。SUUMOから抜粋
この地震の揺れの性質は「振幅」と「周期」に分けて考えることが出来ます。「振幅」は地震の揺れの大きさのことで,「今の地震は大きかったね」という場合はこの振幅が大きかったということです。また「周期」とは,時計の振り子のように地震の揺れがいって戻ってという往復するまでにかかる時間のことです。「ガタガタ揺れる地震」というと比較的周期が短く,「ユーサユーサと揺れる地震」というと比較的周期が長いわけです。この地震の振幅と周期は前に述べたように地盤によって左右されます。沖積層のような「やわらかい」地盤では振幅が大きく周期が長くなる傾向が,洪積層のような「かたい」地盤では振幅が小さく周期が短くなる傾向があります。このような地盤が持つ揺れの周期の特性を特に「卓越周期」と呼びます。
この地盤によって左右される地震の「振幅」と「卓越周期」は建物の揺れと重要な関係があります
どうやら周期は地盤の性質によってある程度決まっており卓越周期と呼ばれます。
固い地盤は振幅が小さく、周期も短い傾向に、柔らかい地盤は振幅が大きく、周期も大きい傾向にありそうです。
文部科学省が発行した防災資料をみるとわかりやすいでしょうか?
ものの性質によって変わるということは、もちろん揺らされる側の家自体も揺れる性質の特性があります。これを固有周期と呼んでいます。建物それぞれにそれぞれの周期があるということです。
そして地震はまず地盤が揺れ、そのあとに家が揺れるわけです。
ということは卓越周期と固有周期が発生するわけです。
この2つの波の周期が合わなければ被害についてはそれほど心配ありませんが、もし周期が一致してしまった場合・・・被害が大きくなります!!
これを共振といいます。
以下の説明がわかりやすそうです。
<10>「共振すること」
教授 南 宏一
昔のお話に、大きな釣鐘を指で動かすという物語があるが、これは「共振」の原理をうまく応用したものである。 例えば、その釣鐘の固有周期が一秒だったとする。これをまず指で右のほうに動かす。そうすると、ほとんど眼には見えない位ですが、釣鐘は動き始め、固有周期で運動を始める。丁度一秒後に釣鐘はもとの位置を通過するので、その時、またタイミング良く指で右の方に釣鐘をおす。このような事を繰返していると、釣鐘のゆれ方はだんだんと大きくなり、これが共振である。 しかし、もし、指で押す間隔が0.5秒の時は、初めの1押しで釣鐘は動き始めるが、0.5秒後の時、右の方に押そうとしても釣鐘は左の方に動いているので、釣鐘のゆれはおさえられることとなり、釣鐘のゆれは大きくならない。 建物や橋などの構造物は地震がくると振動する。その振動の仕方は、構造物自身の振動体としての固有周期と、地震動の繰返しとしてゆれる時の周期(先ほどの例では釣鐘を指で押す間隔になる)によって大きく影響する。 すなわち、構造物の固有周期と同じ周期を持つ地震動がくると、その構造物のゆれは大きくなり、このような場合に、構造物には被害が生じやすくなる。 |
ということは固有周期は建物の構造で大体決まっているわけだから、地震の発生による卓越周期次第では家も壊れやすくなるということか><
これから考えられることは・・・?
つまりどんないい建物を建てても共振してしまえば地震のパワーが増幅してしまうということです。
となると頑丈な建物を建てるより、揺れてもそのパワーを受け流すような建物の方が倒壊する恐れがなくなると思うのです。
それが制震、免震につながるわけですね。
この2つは揺れるのはしょうがないとしてその揺れを吸収してしまうような構造です。
詳しい話は以前のブログに書かせていただきました。
できれば免震装置が安くなって個人の家にも導入できればいいですね^^
今回の熊本地震のような巨大な地震が連続して起こってしまった場合は、共振しなくても倒れてしまう可能性もありますよね。
実際に京都大学は以下のような試算をしています。
震度7の連続地震、耐震強度1.5倍必要 京都大解析
京都新聞 5月11日(水)9時25分配信
熊本地震のような2回の震度7の地震に建物が耐えるためには、現行の耐震基準より5割増の強度が必要になることが、京都大工学研究科の竹脇出教授(建築構造学)の研究グループの解析で分かった。1回の震度6強~7の地震に耐えることしか想定していない現基準の建物では、立て続けに震度7級の大きな揺れに襲われると倒壊の危険性があるという。
熊本地震では、4月14日夜に続き、16日未明にも震度7を観測した。14日の地震には耐えたが、16日の地震で倒壊した建物もあり、「2回の震度7」への建築物の対応が新たな課題として浮かび上がった。
竹脇教授は、地震時における建物の揺れや必要な強度を精度よく計算する手法を独自に開発しており、2回の震度7を耐えるのに必要な強度を算出した。建物は、1回目の地震によるダメージで一定の変形が残るために、揺れに対する抵抗力が低下する。その上で、震度7にもう一度耐えるためには、1回耐える場合の約1・5倍の強度が求められる結果となった。
震度7の揺れを受けた建物は変形の幅が建物の全体幅と比べて小さいために、再度同クラスの揺れに耐えうるかどうかは、外観だけでは判断できず、専門家による詳しい調査が必要になる。変形のために低下した耐震性を再び確保するためには、大幅改修か建て直しが必要となる。
建物の強度は柱や壁、はり、筋交いなどの設置状況で決まる。竹脇教授は「既存の住宅では、地震の揺れを吸収する制震ダンパーなどを設置することでも耐震性を向上させることができる。今後、現在の耐震基準の見直しも必要になるだろう」と話している。
まあ、毎回地震のたびに耐震基準は変わってるわけですから当然のことですが・・・このいたちごっこ、一番困るのはお金です。どんどん建物の耐震化にお金がかかってしまう。さらには地震保険も上昇するかもしれませんね><
ここまでいろいろ勉強した私の結論は・・・
1、なるべく地盤は固いところに家を建てる
2、耐震等級は自分の経済状況に見合う等級にする
3、土砂災害などは少ない土地を選ぶ
(地盤が良くても周りから崩れてきたらアウト><)
4、あとは運! 共振してしまえばおしまい
以上です。
結局運だと思うんです。耐震性って一体何を保証するのか? こんなのあっても意味がないんじゃないかと思うんです。自然の力を前に何もできないので、ある程度満足する耐震性能を購入し、あとは崩れた時にどうするかを考えるべきだと思います。
避難場所や家の安全な場所などをあらかじめ調べておくことや、電気水道ガスが止まった時の自給自足設備の設置や生活用品の備蓄などの用意こそが重要なんだと思います。
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