カビの発育について考える その2 絶対湿度は関連するのか?
こんばんはー。
シンシーです。
カビの発育の話です。
いろいろ調べていたらカビの勉強も面白いもんです^^
住宅の敵ですので、まずは性能を調べようといろいろ調べてみました。
すると一つの疑問にぶつかったのです。
なぜ、カビの発育に絶対湿度でなくて相対湿度が大事なのか??
です。
その前に絶対湿度はなんでしょうか?
このサイトから引用しました。
空気を座席数が決まっている部屋と考えます。
この例では、最大で16人座ることが出来ますが、8席だけが埋まっています。
相対湿度は、座席数に対してどれだけの席が埋まっているかという「割合」になりますので、この場合、相対湿度は50%ということになります。
対して、絶対湿度は、実際に座っている人の数になりますので、1人を0.001kgとした場合、絶対湿度は0.008kg/kg'(=座っている人が8人)ということになります。
つまりは絶対湿度は空気中に含まれる水分量となります。
人間に必要な水分は水分量として決まっています。1日必要水分量とか・・・
水分率ではありませんよね。
それと同じようにカビも必要な水分量が決まっているのではないかと考え、いろいろと調べてみましたが、そういう情報は見当たりませんでした。
その中で以下のような情報が・・・
www.jikkyo.co.jp/contents/download/7193051902
じっきょうの家庭科教科書というシリーズらしいです。
「かびについて考える」という題名です。
その中で・・・
例えば25℃で相対湿度51%の空気(図2のa,絶対湿度0.0101 kg/kg Dry Air,乾燥空気1kgあたり 10.1gの水分を含む)は 15℃に下がれば相対湿度 95%(図2のb)になる。14℃以下になれば空気 中に水蒸気の状態で含むことができず結露として液体状態の水が現れる。 カビの側から見れば,冷えるほど相対湿度が高くなり空気から水分をもらいやすい状態に変わることになる。室内は絶対湿度がほぼ一定であるため,低温箇所は相対湿度が高くカビの発育しやすい環境になる。絶対湿度0.0101 kg/kg Dry Airの空気の室内 では,カビは温度が25℃(図2のa)であれば発育しないが,15℃(図2のb)であれば発育する ことになる。
↑ 図2(湿り空気線図)
湿り空気線図において乾球温度がイコール気温のことです。
相対湿度が図の中央に書いてあるパーセンテージです。
温度(乾球温度)が下がることによりグラフの左に水平移動し、相対湿度100%を超えると結露するという仕組みです。
抜粋おわり
再度確認しておきましょう。
相対湿度が上がると空気中の水分がカビに与えられ元気になる!(カビにとっては、相対湿度が高いと、より空気から水分を取り込みやすくなる)
ここで前回だしたブログ記事から一言を参照します。つまり文科省のサイトからw
微生物が利用可能な水分は自由水のみ
そうなんです。
カビは水しか使えないんです。水蒸気じゃだめなんです。氷じゃだめなんです。
じゃあ結露して液体である水が出来たらだめなんでしょ?なので100%の相対湿度にならないようにしたらいいんでしょ。うちは100%来てないです! って思う方もいらっしゃると思います。
これはもちろん間違いです。
その理由は2つあります。
1つは、家における湿度分布です。家全体同じ相対湿度ですか?たとえば壁近くはどうでしょうか?? 窓近くはどうでしょうか??? 昔の家ならば、冬は窓近くの温度は低くコールドドラフトと呼ばれる現象を味わいます。つまり不快な寒さですね。こういう家の場所によって温度湿度が一定していないと、たとえ室内の相対湿度が100%でなくても簡単に結露はできてしまいます。一方で、部屋全体がほぼ同じ温度である高気密高断熱住宅では窓の結露は少ないし、だいたい家の中で温度湿度は一定です。結露するリスクは昔の家に比べ断然低くなります。
もう1つの理由は前回も述べました。カビは湿度100%でなくても繁殖できるのは自由水を得ることができるからでした。つまり結露しなくても繁殖できるのです><
水と自由水は実は違います。
先日書いたブログもご参照ください。
以下はwikipediaから
食品中にはタンパク質、炭水化物等と結合した結合水と移動が容易な自由水が含まれている。食品中で微生物が繁殖するには適切な量の自由水が存在することが不可欠であり、食品中の水分活性を低下させる加工を行った場合、微生物の繁殖を抑制できる。微生物の種別により繁殖可能な水分活性は様々であるが、一般的な食中毒菌で概ね0.900以上、乾燥や塩分に耐性を持つものでも0.800以上とされ、0.600以下になれば全ての微生物は繁殖が不可能になる。水分活性の測定には重量平衡法や蒸気圧法が用いられる。食品によっては水分活性が規格基準に取り入れられているものもある。水分活性を低下させる手法としては一般に以下のような方法が用いられる。
抜粋終わり
塩漬け、砂糖漬け、乾燥食品、燻製、干物、どれも長期保存できるものだとは知っていましたが、その理由としては水分活性を落としているからなんですね。そしてはそれはつまり微生物の繁殖のもとである自由水を減らしているんですね。
塩漬け、砂糖漬けは結合水の比率を上げ、自由水の比率を下げている。
乾燥食品などは自由水自体を減らしているんですね~。
なので、カビについて考えると、部屋全体の温度を上げて相対湿度を下げることで、水分活性が失われ、カビの増殖成分である自由水が増えるのを抑制しているということになります。
さあ、さいごに当初の質問を振り返りましょう。
カビの発育には相対湿度と絶対湿度のどちらが大事なのか?
絶対湿度はあくまで空気中の水分量です。
一方で相対湿度は空気中の水分率を表しています。
一般的に相対湿度でカビへの空気の受け渡しやすさを決めていることもあり、カビの発育に対する湿度の表記方法としては相対湿度で十分である。
しかしおそらく実際のところ絶対湿度が専門家には用いられていると思われる。
(実はウイルスの増殖などは絶対湿度と関連する論文などが見つけられ、絶対湿度が大事だという記載もありました。ウイルスにあってカビにないはずないですよね^^
ただカビと絶対湿度との関連を詳細に述べている資料は見つけることができませんでした><)
なので、どちらも大事な指標である!
が結論です。あいまいな答えですいません><
ですが、湿度のコントロールがカビの発育に本当に重要だということを再認識しませんか??
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